



新暦と旧暦
太陽暦と太陰暦って?
✔新暦…またの名を太陽暦やグレゴリオ暦。地球が太陽の周りを回る周期を基に作られた暦。
✔旧暦…またの名を太陰暦やユリウス暦。月の満ち欠けの周期を基に作られた暦。
実は日本も明治5年までは旧暦を使用していたが、それ以降は新暦を使用している。台湾も通常は新暦を使用しているけど、年中行事は全て伝統に沿って旧暦を使用しているのだ。因みに台湾の代表的な年中行事は以下の通り。
台湾の主な年中行事
元宵節…旧暦の1月15日
清明節…旧暦の2月下旬から3月上旬
端午節…旧暦の5月5日
七夕……旧暦の7月7日
中秋節…旧暦の8月15日
以上のように、全て旧暦を基に行なわれている。
台湾の春節

今日のポイント
春節の用語や習慣を知ろう!
春聯
ドアの前に貼る紙で「春」とか「福」「財」「吉」など縁起がいい言葉が書いてある。そして旧暦の1月1日になると上下をひっくり返して張りなおすのだ。これは「ひっくり返る」という意味の倒(dǎo)と「来た」という意味の(dào)をかけたダジャレのようなもの。春がひっくり返った=春が来た となるのだ。同様に福が来た、財が来た、吉が来たと、縁起が良い漢字なら何でも使えちゃうのがポイント。

紅包(お年玉)
正月と言えばお年玉!もちろん台湾にもある。



台湾というか中国の文化なんだけど、赤は縁起が良い色とされているので春聯も紅包も赤が基本。それと金色も縁起が良いので結果として相当派手な色に仕上がる。

日本でお年玉と言えば子どもに配るイメージだが、台湾では両親や祖父母にまで配る。これは今まで育ててくれた事に対する感謝の気持ちで、如何にも家族を大切にする台湾らしいやり方ではあるが、経済的に負担が大きくなるのも事実だ。

お参り
正月と言えば初詣!台湾には初詣という言葉はないものの、もちろんお参りはする。しかしながらこれが結構複雑で、整理すると以下の通りになる。
正月期間のお参り(以下全て旧暦)
- 12月31日……地基主、家神、祭祖
- 1日、9日……天公
- 2日、3日……祖先、祭祖
- 4日、5日……財神、灶神、眾神
- 15日…………天官大帝


この辺の話は宗教も関係してくるから、また別の機会にご紹介したい。
年菜

日本のおせち料理同様、年菜にも色々な意味が込められている。例えば中国語で「魚」と「餘(余る)」は同じ発音なので、お金が余るように魚が出されたり(魚だけは“余る”ように全部食べてはいけない)、「雞」と「家」が台湾語では同じ発音で「鶏を食べる」が「起家(お金持ちになる)」という意味で使用されたりといった具合だ。他にも色々あるが、これも量が膨大になりそうなので次の機会に回したい。

初二の回娘家と初五の隔開



初二は“回娘家”と言って嫁いだ妻が実家に帰る日。夫の実家から妻の実家へ移動する為、交通渋滞が起こりやすい事でも有名だ。そして初五は隔開(お正月が終わるという意味)といって財神の誕生日でもあるので、この日に仕事始めをするのが一般的だ。
参考 初一から初五までの習俗
初一…掃除をしてはいけない。爆竹を鳴らす。お線香を上げる。
初二…妻の実家に帰る日。
初三…外に出てはいけない。「睡眠を貪る日」と言われている。
初四…神様をお迎えする日。
初五…仕事始め。
さて台湾の春節の様子が伝わっただろうか。日本同様、台湾の正月にも色々な習わしや宗教などが詰まってて大変面白い。是非みなさんにも一度、台湾の春節を味わってほしい。
今日のまとめ
正月は旧暦で毎年日時が違う。
期間中は初一、初ニなどと旧暦の言い方を使う
お年玉は目上の人にもあげる
年菜にはそれぞれ意味が込められている
妻の実家に帰る日がある
日によって祀る神が違う