日本で端午と言えば5月5日でこどもの日だが此方台湾では少し異なる。先ずは同じ5月5日でも新暦ではなく旧暦を使用するのは以前の記事でも紹介した通り。
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台湾の年中行事を知ろう①春節-台湾のお年玉事情-
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日にちが分かったところで、今から台湾の端午節事情について紹介していこう。
今日のポイント
✔南北ちまき戦争?
✔ドラゴンボートで盛り上がれぇぇ!
✔コロンブスもビックリ!卵が立つ?
こんなに違う、南北ちまき事情
その前に日本の粽(ちまき)と台湾のは全然違うものなので要注意!僕は昔、台湾人の友達の家に遊びに行って「粽いくつ食べる?」と聞かれたので「5つ」と答えてエライ目に遭った事がある。

そんな日本とは大違いの粽なのだが、台湾の南北でも違いがあるのだ。先ずはFacebookで行われた「南北のちまき、どっちが好き?」というアンケートの結果をご紹介したい。
結果によると71%が南部の粽、29%が北部の粽を選んだ。それでは南北で何が違うのだろうか。以下の画像を見ていただきたい。


南北の違いは作り方にある。先ずは北部の粽の作り方について紹介しよう。それとご覧の通り、南北問わず台湾の粽はもち米をギュッとしたもので相当ボリュームがある。間違っても台湾人に幾つ食べるか聞かれて、「5つ」とか無邪気な笑顔で答えないように。
北部の粽
北部粽の材料
竹の葉、もち米(長粒種)、干しエビ、スルメ、干し大根、豚バラ肉
北部粽の一般的な作り方としては、先ず調味料を加えた材料と生のもち米を炒め、それから竹の葉に包んで蒸すというもの。味がしっかりしていて、もち米にも歯ごたえがあるのが特徴だ。食べるときには甜辣醬という甘めのチリソースをつける人も多い。

南部の粽
南部粽の材料
竹の葉、もち米(短粒種)、干し椎茸、落花生、鹹蛋黃(アヒルの卵黄の塩漬け)、豚肩肉
次は南部の粽だ。南部の粽は材料だけでなく作り方も違う。水に浸したもち米を調理済みの材料と共に竹の葉で包み、直接茹でるのが南部粽の特徴だ。米を調味料で炒めてから蒸す北部の粽と違い、味があっさりしていて、水気が多く、ねっとりした口当たりだ。因みに醬油膏という粘り気のある台湾醤油にピーナッツの粉をかけて食べるのが南部風。


因みにネット上では南北ちまき論争が起こっていて
北部の人「南部のは味がねーし、べちゃべちゃしているし」
南部の人「お前らのなんて只の3D版油飯やんけ」
なんて言い合いも見られる。因みに油飯とは台湾風おこわで、実際作り方は途中まで全く一緒だったりする。

第三の勢力 客家の粽
台湾版南北戦争に割って入ってきたのは第三の勢力、客家の粽だ。客家の粽の特徴としては、もち米に米を混ぜた米粉を使用する事だ。米粉を使用するので米粒は残っておらず、肉まんの皮のような見た目なのだ。

引用元:靜姐廚房
南北戦争が三国時代に突入するかに思われた刹那、それを仲介する天使が舞い降りた。

粽三国時代、これにて終了。
ドラゴンボート
端午節と言えば粽と並びドラゴンボートだ。そもそも端午節の由来は大昔の中国の偉人、屈原が旧暦の5月5日、国を憂い入水自殺した際に、それを知った国民たちが屈原の遺体を引き上げるべく船を漕ぎ出し、また遺体が魚に食べられないように粽を川へ投げ入れたことだと言われている。まあこれは俗説で実際のところは各時代に各地方の習俗が合わさった結果なのだが、「国を想う屈原さんに、そんな屈原さんを想う民衆の物語が由来」の方が素敵なのではないだろうか。端午節には台湾各地でドラゴンボートのレースやイベントが行われている。

みんなでコロンブス 端午立蛋
「端午節の正午はちょうど太陽が真上にあり、引力の関係で卵が立つ」という都市伝説的あやしさ満点の説があり、正午ともなると大人も子供も卵を立てようとする。毎年台湾国内だけで何人のコロンブスが誕生しているのだろうか。

信じるか信じないかは貴方次第!
今日のまとめ
粽は南北で作り方や味が違う
台湾各地でドラゴンボートのレースを開催
正午には卵が立つ