三大節句の他にも色々ある台湾の年中行事。今日はその中かから元宵節について紹介したい。三大節句については以下の記事を参照。
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今日のポイント
✔幻想的なランタン祭り
✔元宵節には何を食べるの?
✔台南の元宵節は内戦の日?
元宵節とは?
“初十五”つまり農歴の歳が明けて15日目、新年で最初の満月のこの日を元宵節という。由来については諸説ある、というかありすぎるので別の機会にまとめるとして、今日は元宵節をどのように過ごすかについて紹介しよう。
ランタン
元宵節と言えばランタン。各地で色鮮やかなランタンが飾られるランタン・フェスティバルが開催される。

中でも有名なのが台北市の平溪で行なわれるランタン祭り。十分という地名でも有名なこの地のランタンは天燈と言って中を舞うもの。九份→十分は日本人にも大人気のコースだ。

もちろんランタン祭りの時期外でも天燈を飛ばすことは出来るので、十分を訪れた際には願い事を書いて空に飛ばしちゃおう。

湯圓
新年最初の十五夜の日である元宵節には、形が満月に似た湯圓(タンユエン)と呼ばれる具入りの団子が食べられる。中の具は色々あるが、黒ゴマ餡とピーナッツ餡が最もメジャーだ。また湯圓(tāngyuán)は團圓(tuányuán)=団らん に発音が似ている事から、一家団欒を願って食べられる側面もある。因みに本来元宵節に食べられていたものを「元宵」、冬至に食べられていたものを「湯圓」と呼び、この二つは製法と材料が少し異なるのだが、今では元宵節、冬至の両日とも湯圓が食べられている。

鹽水蜂炮
先ずは動画を見ていただきたい。これは決して何処かの国で発生した内戦ではなく、れっきとしたお祭りなのだ。


これは元宵節に台南の鹽水区で行なわれる鹽水蜂炮といって、オーストラリアのABCニュースが選ぶ「世界10大デンジャラス祭り」にスペインの牛追い祭り、長野県の御柱祭と共に選ばれた由緒正しき(?)お祭りなのだ。その起源は諸説あるが、1885年に鹽水区で疫病が大流行した際に神様に祈りを捧げる為に朝まで爆竹を鳴らし続けたところ疫病が収まり、それ以降、毎年元宵節に行なわれるようになったそうだ。因みにあまりにも危険なので参加する際には以下のような服装が推奨されている。


元宵節のお参り事情
台湾の節句は基本的に全て道教由来のもので、元宵節にも当然、神様へのお祈りが行われる。お祈りの対象は①天官大帝②祖先③地基主が主で、他にも自分が普段お祈りしている神様を含める場合もある。
天官大帝
最高神である天公(玉皇上帝)に次ぐ、序列二番目の三官大帝(別名:三元大帝、三界公)の一人。元宵節はこの天官大帝の誕生日とも言われている。
参考 三官大帝とは?
天界、地界、水界の三界を治める神様。道教の世界に於いて二番目に序列が高い
天官大帝…天界担当。誕生日は1月15日。
地官大帝…地界担当。誕生日は7月15日。
水官大帝…水界担当。誕生日は10月15日。
お参り方法
お供え物…茶(水)3杯、果物5種類、素麺(赤い帯のもの)、ご飯6椀、金紙など。
お参り時間…前日の11時から可能。一般的には当日の午前中が多い。



祖先と地基主
祖先と地基主のお参り方法については以下の記事でも紹介したので参照していただきたい。因みに時間だが祖先は午前、地基主は夕方頃だ。
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終わりに
元宵節はお正月の終わりを告げる少し寂しい日でもあるが、その寂しさを吹っ飛ばす幻想的な各地のランタン祭りに加え、過激に吹っ飛ばす台南の鹽水蜂炮と、とても特色ある楽しい日でもあるのだ。このブログをご覧の皆さんも次の元宵節には是非台湾を訪れ、その幻想的な世界に浸ってほしい。