
降り注ぐ南国の太陽、活気ある街、親切な人々に美味しいB級グルメ。確かに歴史なんて知らなくても台湾は楽しい。でも、ほんの少しでも歴史を知ってと、もっと楽しくなるのも事実である。この項では台湾好きの貴方が歴史を知るべき3つの理由について述べたいと思うが、その前に…
いくつ知ってる?
✅近松門左衛門『国姓爺合戦』
✅長崎貿易
✅琉球処分(沖縄の強制併合)
✅新渡戸稲造(昔の5千円札の人)
✅日中戦争の相手
上記の歴史が台湾と密接に関係していることをご存じだろうか?今から歴史を知るべき3つの理由について述べるが、結論から言っちゃうと知るだけで貴方の知識はより深まり、何だったら人生も楽しくなっちゃうのだ。
貴方が歴史を知るべき3つの理由
1.知ると旅行や生活がもっと楽しくなる
奈良や京都を訪れる外国人観光客が全く日本の歴史を知らなかったら、なんかちょっと勿体ない気がしないだろうか?全く同じことが台湾でも言える。例えば台湾の人気観光地と言えば言わずと知れた九份。『千と千尋の神隠し』の舞台になったとかで有名な観光スポットであるが、名前の由来は「九世帯分」で九份。道も通っていない辺鄙な場所で九世帯しか住んでなかった際に、毎回九世帯分の物資を水路で調達していた事から名付けられた。そんな辺鄙な街が一転したのは1890年代、金が発掘され街はゴールドラッシュに湧いたのだが、その金鉱も枯れ人々は去って行った。寂れた嘗ての街が再注目されるきっかけとなったのが1989年、ベネチア国際映画祭でグランプリを受賞した『悲情城市』の舞台になったから。そういった歴史を知った上で街歩きをしてみれば、写真や映像で見慣れたはずの景色もきっと違って見えるはず。

2.日本人としての義務
「私は22歳まで日本人でした」 これは先日お亡くなりになった李登輝元総統の言葉。1923年生まれの李登輝氏が22歳になるまで、台湾が日本の一部だった事を皆さんはご存じだろうか? ここで強調しておきたいのは、現代の視点から当時の植民地経営の善悪を語る事はできないという事と、然しながら日本人である我々が台湾を植民地としていた事を知らない事は、はっきり言って罪であると思う事の2点である。それに台湾の近代史は「日本史外伝」の要素が色濃くあるので、日本史が好きな方も大いに楽しめると思うのも理由の一つだ。

3.国家の形成が理解できる
日本史を少しでも勉強した事ある人なら誰でも知っている事だが、日本という国は政権が変わり続けてきたが基本的にはずっと日本だった。一方台湾は(語弊を恐れず思い切り端折って言うと)ここ115年間だけみても①清→②日本→③中国→④台湾と、国そのものが変わって来ている。じゃあその前は?というと国ではない一つの島だった。国際社会の荒波に左右され続け、それでも力強く変貌を遂げ続ける台湾の【国造り】の歴史とその流れは、ボーダレス化が進み、国そのものの在り方が問われる21世紀に生きる我々だからこそ知らなければならないものなのかも知れない。
まとめ
色々小難しい事を書いたけど、一言で言っちゃうと台湾の歴史は楽しい。そして歴史を学ぶと台湾旅行や台湾での生活がもっと楽しくなるのだ。せっかく台湾に遊びに来たり、住んでたりしてるんだったら、より楽しまないと損だと思う。それともし皆さんに台湾人のお友達や同僚、恋人がいるのなら、やはり台湾の歴史については知っていて欲しい。相手の歴史を知る事こそ、本当に仲良くなれる為の必須条件なのだから。

これから先、台湾の歴史について、わかりやすく紹介していくが、偉そうに語っている僕自身が歴史の勉強大っ嫌いだった。そんな自分が思う【歴史の勉強が嫌になる理由】は以下の5つ。
歴史の勉強が嫌になる5つの理由
①用語が難しい
②年号が面倒くさい
③人名多すぎ
④とにかく細かい
⑤脱線が多い
①から④だけでもヤル気なくすのに⑤のように時代が行ったり来たりするわ、突然経済史や文化史が入ってきたりするわ…で歴史の勉強を諦めちゃった人も多いはず。なのでこの『台湾史入門』では①難しい専門用語は使わず②年号はできるだけ使わず年代をざっくりと③人名も極力出さないで④大まかな流れだけを⑤一本の流れで紹介していきたい。

